俳優Mahoと、日頃から美・健・攻に努める10人の仲間たちのNYサバイバル生活。New York based actor Maho Honda's official blog!


by zhensui-maho
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

エロさと絶望感が足りない 「A Streetcar Named Desire (欲望という名の列車)」 on Broadway

リンダだよ!はーわーや!!

書くのはおひさしぶりだけど、相変わらず舞台は観にいってましたー☆

昨日は、クラシックの王道、「A Streetcar Named Desire(邦題: 欲望という名の列車)」!!by テネシーウィリアムズ、のブロードウェイ公演を観てきたよん♪

実はリンダ、この劇を生で観るのは3回目(すべて違うプロダクション)。あと映画も何回も観てる。なので、ネタバレと独断と偏見満載でお送りするからよろしくね。あ、これはいつもだって?

今回は、主演がみなアフリカンアメリカン俳優という珍しいバージョンだったの。あの時代、南部はまさに奴隷制度の最中だったわけだから、こうして60年後に黒人が南部の白人役を演じてるってすごく歴史を感じることだよねぇ。

あらすじは、おおざっぱに、

「職もお金も失った田舎教師ブランチが、夏の間、妹のステラのところに住むことになった。ステラには労働者クラス感丸出しの夫、スタンリーがいる。ブランチは南部のいかにもお嬢様環境で育てられたので、ふたりはソリが合わない。老いていく自分に価値がなくなることを恐れ、かかえきれない心の傷を負い、安全な居場所を絶望的に探し続けるブランチ。ブランチが家族所有の田舎の土地を失ったことに憤慨し、精神崩壊気味の彼女をステラがかばうことで嫉妬し、自分の王としての存在意義が脅かされるスタンリー。結婚して家を出て、姉にすべて押し付けてしまった罪悪感と、壊れていく姉への哀れみ、スタンリーへの愛との間で揺れ動くステラ。葛藤の末の決断とは…」

って感じ。

映画では、ヴィヴィアン・リー(ブランチ)と、マーロン・ブランド(スタンリー)でおなじみだよね♪

b0186354_2035725.png


はいはい。まずひっかかったのが、全体的にコメディよりの演出だったんだよねー。一昨年のBAMのプロダクションは、王道のシリアス演出だったし、それが普通と思っていたから、はっきり言って違和感があった。

そのせいで、シリアスで大事なシーンのはずなのに、さらっと流れちゃったり、笑いをとっちゃったりしたところも多くて、違う意味でハラハラしたよ。

いいシーンもたくさんあったんだけどね。。。リンダがしくしく泣いてるところでも観客は笑っていたりしたから、単に観客運が悪かったのかもしれない。テレビみてるみたいに、ヤジすれすれ(アウトかな)の感嘆符を飛ばすんだもーん。

さてさて、本題のプロダクションよ♪

ストリートカーの難しいところは、キャラクターへの感情移入のバランスだと思うの。

一応コメディだけどすんごい悲しくて重いストーリーだけに、スタンリー役の俳優が強くってブランチ役の俳優が弱いと、スタンリーばっかりに感情移入しちゃって、ブランチがただのウザい女になっちゃうの。どっかいけタカビー女!スタンリー城を奪われてかわいそう!って。

で、逆に、ブランチ役の俳優が強くてスタンリー役の俳優が弱いと、彼がただの凶悪凶暴ゴリラにみえちゃうんだよ。なんて自分勝手で酷い男なんだ!ブランチこんなに弱ってるのにかわいそう!って…

それぞれの俳優がしっかりとキャラクターのニードを体現していて、それぞれが同じレベルでぶつかり合って、「あぁ、みんな幸せになりたいだけなのに、人生って切ないな」って観後に思えるようなプロダクションに仕上げるのは、なかなか難しようで。

今回のはね、後者のスタンリー弱めバージョンだった。

だってね、スタンリーは凶暴だけど、その凶暴さは弱さを覆い隠すために作り上げた表の顔であって、彼はステラがいないと生きていけない弱っちい男なんだよ?

そういう、子供みたいに、純粋で、傷つきやすくて、ガラスのような(英語だとVulnerableという最適な表現があるのに日本語のひとことに訳せない! )裏の顔が、ステラを夢中にさせてるわけ。わたしだけにしか見せない弱さを…って、母性にストレートで訴えてくるところがたまらないわけ。

強がってる男のそういうギャップって、セクシーなわけ。

で、しかもベッドですごいみたいですから,彼。もう最強。

今回のスタンリー (Blair Underwoodさん) は、残念ながらそういうセクシーさがあまり感じられなかったなぁ。これはテンポとか演出とか演技以外の要素も絡んでだと思うけど、なんか、すんごいハンサムなんだけど、都会的で自立してて普通に強い男に見えちゃったのさ。

マーロン・ブランドと比べちゃいかんけど、彼はもろくてエロかったもんなぁ。はぁ。

ステラ (Daphne Rubin-Vega) もとても良いシーンがいくつかあったけど、やっぱり「スタンリーはわたしが守ってあげないとダメなの!わたしも彼がいないと生きていけない!」っていう不健康なくらいの生々しい依存メンタリティーがもっと見たかったのよねー。

ふたりから、激しく求め合う欲望っていうのがあんまり伝わらなかったところが不完全燃焼だったよ。「欲望」はこの劇の看板だから!列車の名前になっちゃってるくらいだから!!そこもっとドロドロしてくれないとぉぉぉ!!

有名な「すてぇぇぇーーーーらぁぁぁぁーーー!!!!!」のシーンとか、意義ありあり。


頼むから、もっと、もったいぶってくれぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!


ぜぇぜぇ。。。

あとさ、ごめんね、ふたりとも、からだ、鍛え過ぎ。

アメリカ南部の片田舎の主婦であるはずのステラが、腹筋のついたお腹丸出し&思いっきりダンサーっぽい機敏な動きをするのには違和感があったし、いかにもジムで鍛えました!みたいな均整のとれたスタンリーの肉体美は、とても肉体労働(とボーリング?) で培ったようには見えなかった。

さらにいっちゃうと、ミッチ (Wood Harrisさん) はもう少し太めがよかった。役で言ってるように、200ポンド超えの汗っかきにはみえない。ま,言い出すとキリないわな。

今回のブランチ (Nicole Ari Parkerさん) も、すごくいい役者さんだったけど、たぶん演出のせいもあって、あまり”脅かされている”という絶望感がなかったところが惜しい。

BAMのCate Blanchett (ケイト・ブランシェット)さんのブランチは、観客にもみえるほど大きな心の傷口が開きっぱなしで、誰かが触れようものなら壊れてしまいそうで、こちらをナーバスにさせるモロさがあった。過去に、未来に、失いつつある自分の女としての価値に、スタンリーに、、 …つねに何かに脅かされていて、化粧でも酒でも男でもとにかく何かにすがろうと必死な姿は、みていて心が痛かったよ。

ただね、演じてみせてくれた役の悲惨さゆえ、そしておそらく彼女の俳優としてのカリスマ性ゆえに、ケイトさんには人を寄せ付けない冷たさのようなものがあったのに対して、ニコールさんのブランチは、とても親しみやすいと思った。ケイトさんのことを、”あぁ、かわいそう。もうやめてあげて…”と第3者的にハラハラしながら見守っていたのに対して、ニコールさんには完全に感情移入して、一緒に戦っているような気分だったよ。さっき言った観客の場違いな笑いまでも利用して、悲壮感を加速させていたように見えた。すごいなぁ。

なんというか、ニコールさんはとってもチャーミングでした。きっと役者自身が持っている魅力なんだね。

彼女がそんなに素敵なおかげですっかりアンチ・スタンリーになっていたから、一番最後に納得いかなかったの!だって、映画では、ステラがスタンリーを「Don't Touch me!」と言って振り払うのに、このステラ、しないんだもん!

しっかりしろステラ!

と不服の思いで台本を引っ張りだして読んでみたら、そんな台詞書いてなかった。…?

と。いうことは。
あれは映画のオリジナルだったのねぇ。へー、いままで気づかなかった。あそこすごくよかったのに。

あと、すごく小さな役だけど、最後に現れる施設からの男性と女性がすごくよかった。ブランチに対する同情と敬意がすごく伝わってきて印象的だったよ。台詞は少なくても,いい芝居をすればこれだけ全体に貢献できるっていう好例だよね!

あれ、リンダ、ちょっと今回厳しかった?なんかヤな感じになっちゃってる?ごめーん。ストリートカーへの情熱だと思って許してねん♪ふふ。いろいろえらそーに言ったけど、いいシーンもたくさんあったんだよ!アメリカの王道舞台劇だけにこれからも何度も演じられていく劇だと思うから、ぜひみひとつのバージョンとして観にいってみて!そして、観にいってくれたあかつきには、リンダと一緒に朝まで語り明かそうベイベ!

防寒対策必要度 ★★★★★★
集中力 ★★★
ブランチ頑張れ度 ★★★★★★
やっぱりマーロンブランド&ビビアンリーコンビはすげー度 ★★★★★★


b0186354_20342614.jpg by Linda


b0186354_11414354.jpgスタンリーは、男優のドリームロール(誰もがやってみたい役)と言われています。へー。 Maho 


 にほんブログ村 海外生活ブログへ
 ↑応援クリックどうぞよろしく!

ニューヨーク生活情報
↑ついでにこちらもクリック。ありがとうございます!

Please click these 2 ranking banners above and encourage Maho's blog!


 THANK YOU070.gif! and C U soon070.gif
[PR]
by zhensui-maho | 2012-06-08 20:29 | Linda-Entertainment